【宇都宮稲荷神社を散策】
鎌倉駅東口を背に直進すると、若宮大路に出ます。
若宮大路を左(鶴岡八幡宮方向)に進むと、二の鳥居があるので真ん中の段葛を歩きます。100m程進むと、右手に鎌倉彫会館とカトリック雪ノ下教会があります。
その角を入り、突き当たった所に『宇都宮稲荷神社』があります。
《辻子》
辻子(ずし)とは、大路を結ぶ小道の意味で、宇都宮辻子は西の若宮大路とその東側の小町大路を結ぶ小路であり、石碑の隣にある宇都宮稲荷は、かつて御所内にあったと伝えられており、北条泰時の屋敷もこの御所の北側に隣接してかまえられていたと思われます。
宇都宮の名称は、治承4年(1180年)源頼朝が鎌倉に幕府を開いた時、評定衆に列する重臣のご家人であった宇都宮朝綱がこの地に屋敷を構えたことにちなんでいます。宇都宮の姓は、藤原通兼(藤原道長の兄)の直系で、末孫宗綱が宇都宮の姓を名乗ったことに始まり、宇都宮朝綱の孫頼綱は、北條時政の女婿でしたが時政の娘政子(頼朝の正室)と弟義時と時政の確執により鎌倉を追われることとなったと伝えられています。ちなみに、宇都宮一族の先祖は藤原鎌足であり、下野国(現在の栃木県)の豪族という名だたる宗教家で、また「鎌倉歌壇」とは違う京風の歌壇である「宇都宮歌壇」を有して、多士済々の人物を輩出していると云われています。